長尺CNT合成

 長尺CNTは,化学気相成長(CVD)装置内で高温に加熱された基板上に触媒金属ナノ粒子を形成した後に炭化水素系原料ガスを供給してCNTを合成する,いわゆる基板法で作製する.基板上にCNTが垂直方向に配列しかつ密集した状態で「森」のように合成されるため,CNTフォレストと呼ばれる.研究室では,塩化鉄(FeCl2)をCNT合成の触媒前駆体として利用する高密度垂直配向CNTフォレストCVD法(塩化物介在CVD法)を独自に開発してきた.FeCl2がCNT合成の800 ℃帯で昇華していることを利用し,高温でSi(または石英)基板上に触媒ナノ粒子をin-situ形成した直後にCNTを合成する連続プロセスが特徴である.原料にはアセチレンを使用し,10分程度の短時間で1 mmを超える長さの多層CNTが成長する.CVD条件により直径を15~70 nm程度の範囲で制御可能である.CNT成長面密度は5-10×109 cm-2程度である.最大の特長は,1 mm超の長尺CNTフォレストであっても高い紡績性を有していることである.図1に塩化物介在CVD法で作製した紡績性CNTフォレストの操作型電子顕微鏡(SEM)像を示す.2 mm以上の長尺CNTで高い紡績性を呈している.また,根元から先端まで直線的なCNTが合成されていることがわかる.CNT同士がバンドル化している様子も観察される.根元から先端まで直線的構造をしており,高密度成長によるバンドル化が顕著である.

CNT成長速度

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