当研究室では、カーボンナノチューブやその応用研究試料の特性を評価する各種測定装置も多く完備し、円滑な研究活動に利用しています。
電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)
●日立ハイテク・SU-8030
数nmの非常に小さな構造を詳細に観察することができます。CNTの直径はとても小さいため、高分解能で観察できる電界放出型の電子顕微鏡が必要です。
【測定例】
原子間力顕微鏡(AFM)
●日立ハイテク・AFM5200S
試料表面の原子レベルのデコボコをとても先鋭な針で走査して、nmレベルの形状を観察します。当研究室では、基板表面に形成したFeナノ粒子の大きさや配置状況などを調べるために使用しています。
【測定例】
ラマン分光装置
●堀場製作所・XploRA
試料に緑色のレーザー光を照射して、結晶の格子振動周波数を測定します。CNTなどの結晶構造を調べるために使用しています。
【測定例】
過渡熱抵抗測定装置
●シーメンス・T3Ster/DYN-TIM
●キーナスデザイン・PLENUS+加圧治具
CNTの膜厚方向の熱抵抗や熱伝導率を測定します。素材だけでなく、素材と触れる材料間の接触熱抵抗も評価します。
【測定例】
ウルトラマイクロ天秤
●メトラートレド・XP2U
0.1μg(1gの1/10,000,000)の精度で重さを測定できます。CNT試料は、見た目には普通の大きさでも重量はとても小さいので、超精密な電子天秤が必要です。合成したCNTの密度を測定するときなどに使用します。
デジタルマイクロスコープ(測長顕微鏡)
●斎藤光学・SKM-S30D-PC
成長したCNTの長さを測定するために使用します。10μm~数cmの大きさのものまで測長できます。
引張試験機
●島津製作所・EZ-L+TRViewX
試料を上下に引っ張り、かかっている力(応力)と伸び(ひずみ)を計測して、強度や弾性率を測定します。CNT糸や複合材料の引張強度、ヤング率を測定します。また、ひずみセンサー動作時のひずみと抵抗の変化を同時に計測することもできます。
電気伝導測定装置
CNT糸などの電気伝導率や最大電流容量などを2端子法、4端子法で測定します。真空中または不活性ガス雰囲気中で測定することもできます。
赤外線サーモグラフィカメラ
●日本アビオニクス・Infrec R550Pro
-40~2000℃の範囲の温度分布イメージを測定します。CNTヒーターの温度分布や、CVD装置の温度揺らぎなどを測定したりします。
【測定例】
小型分光器
●オーシャンオプティクス・USB4000
波長200~1100nmの光スペクトルを測定できます。真空中でCNTに電流を流すと、発熱して黒体放射を生じます。スペクトルをフィッティングして、CNTの発熱温度を測定することもできます。
【測定例】
放射線測定器(サーベイメーター)
●日立アロカ・ICS-323C
X線、γ線及びβ線などの放射線の強度を測定します。