論文「高密度CNTフォレスト成長における触媒ダイナミクス」The Journal of Physical Chemistry Cに採択

論文「高密度CNTフォレスト成長における触媒ダイナミクス」The Journal of Physical Chemistry Cに採択

今年3月に修士課程を修了した田畑良篤君の研究がThe Journal of Physical Chemistry Cに採択されました。

本研究は、CNTが基板に垂直に高密度配向成長したCNTフォレストにおいて、CNTが長くなるとともに触媒ナノ粒子の触媒作用が消失しCNT本数密度が減少していく過程を考察しました。この研究のため、まずポリオール法で粒径3nmの酸化鉄ナノ粒子を合成し、複数回塗布法により基板上に高密度担持して高密度CNTフォレストを形成する手法の開発をしました。そして、触媒ナノ粒子から高効率にCNTを成長させるCVD法を丹念に検討しました。その結果、長さ1mmのCNTとしては世界最高レベルの46mg/cm3という高密度化に成功しました。また、CNT成長時間が長くなるほど対数的に密度が減少することを見出し、CNT長が100µmに達する頃には触媒の95%が失活していることを明らかにしました。以上のことは、CNTフォレストを電子回路や熱伝導材料に応用する際に大変重要な知見となります。

Catalyst Dynamics in the Growth of High-Density CNT Forests; Fine Control of the Mass Density of Forest by Colloidal Catalyst Nanoparticles
Kento Tabata, Yuga Kono, Ryosuke Goto, Yuya Abe, Takayuki Nakano, Hisashi Sugime, Yoku Inoue
The Journal of Physical Chemistry C, accepted

DOI: 10.1021/acs.jpcc.2c05454
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