研究室OBの田中孝祐君の研究が、ACS Applied Engineering Materialsに採択されました。
本研究では、CNT糸と銅の均質な複合化技術を開発しました。
従来は、密に撚られたCNT糸中に銅を析出させることが困難でしたが、田中君はCNTフォレストにあらかじめ銅ナノ粒子を付着させてから糸を紡ぐことにより、均質銅複合化を達成しました。
電気特性を調べたところ、高温でも電気抵抗の上昇が小さくなる特異な現象を発見し、CNTと銅の接合界面で電子散乱が抑制されることを見出しました。
100℃程度で比抵抗は銅より小さくなるため、高温で動作するモータなどの巻き線に利用すれば、より軽量化することが可能になります。紡績CNTには多様なナノ粒子を付着させることもできるので、本技術は金属複合ワイヤだけでなく、電池やキャパシタなどの機能性電極などへの応用も期待されます。
Synergistic mixing effects on electrical and mechanical properties in homogeneous CNT/Cu composites
Kosuke Tanaka, Takayuki Nakano, Yoshinobu Shimamura, Yoku Inoue
ACS Applied Engineering Materials 1, 2359 (2023)
DOI: 10.1021/acsaenm.3c00269
※2023年末まで無料公開となっています
acsaenm.3c00269